ピクルスは発酵食品?日本人と西洋人のピクルスに対する認識の違い
ピクルスが発酵食品と言われる由縁について
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ピクルスは元々野菜やハーブを塩水で漬け込み、発酵させたものでした。現在日本で売られているピクルスは野菜を酢漬けしたものが主流になっていますが、紀元前2000年にメソポタミアで生まれた最初のピクルスは、季節の野菜を塩水に漬け込み、発酵させた保存食のようなものだったそうです。発酵ピクルスは今でもアメリカやヨーロッパ諸国で販売されていますが、今や世界中で販売されているピクルスは酢漬けピクルスが主流になりつつあります。日本ではほとんど見かけない発酵ピクルスですが、野菜と塩があれば自宅で簡単に作ることも可能です。今回はピクルスについて、酢漬けピクルスと発酵ピクルスとの違いや、発酵ピクルスの作り方の説明も交えながら色々と解説していきます。発酵ピクルスを自宅で作ってみたいと考えている方など、ご興味のある方は最後までぜひお付き合いください!
目次
発酵ピクルスと酢漬けピクルスの違い
発酵ピクルスと酢漬けピクルスはその製造法に違いがあります。発酵ピクルスは野菜をハーブと一緒に塩水に漬け込み、発酵させて作ります。これに対し、酢漬けピクルスは野菜をお酢と調味料を混ぜたものに漬け込んで作ります。発酵を促す分、発酵ピクルスは長い時間を要しますが、酢漬けピクルスは比較的短時間で作ることが可能です。
日本人にとってのピクルスとは
ピクルスは多くの日本人に「野菜の酢漬け」として認識されています。海外でも今は酢漬けのピクルスが多く流通しています。実際にピクルスをウィキペディアで調べてみても、「歯切れのよい野菜類を、種々のスパイスを入れた酢に漬けたもの」と、説明されており、発酵させて作るといった説明書きはありません。元々塩水で長時間発酵させることによって作られたピクルスがなぜ、酢漬けのものへと変貌していったのでしょうか。それは日本食の寿司のうに、発酵にかかる時間を短縮するため、手軽に酸味が加えられるお酢を使用するようになったのでは、という説があります。
ピクルスの生い立ちと認識の違い
ピクルスの歴史は紀元前2000年のメソポタミアで始まったと言われています。当時、現代の冷蔵庫のような保存手段が無かった古代人は、季節ごとに収穫する野菜を少しでも長く保存するために、野菜やハーブを塩水に漬け込み、発酵させてピクルスを作ったそうです。その時のピクルスはどちらかというと日本の「漬物」に近い食べ物だったと想定できます。実際ピクルスは英語だと広い意味で漬物のことを指します。その後発酵ピクルスはアメリカに渡り、1960年代、ニューヨークには何百ものピクルス製造会社が軒を連ねました。この当時主流で作られていたのは発酵ピクルスであり、その当時を知る西洋人たちにピクルスとは何かと尋ねれば、発酵ピクルスのことをを指すかもしれません。
発酵ピクルスの作り方
野菜に3%の塩水、これだけで発酵ピクルスは作ることが可能です。好みでハーブやニンニクを加えるとさらに美味しくなります。しっかり蓋が閉まる容器に適当に切った野菜を入れ、野菜全体がかぶる程度の食塩水を入れます。ここで大切なのは中に落し蓋を入れて、野菜が浮かんでこないようにすること。野菜が空気に触れず、しっかり塩水に漬かることにより、カビ発生を防ぎます。漬け込んでから9日ほど経過すると、完成です。この時蓋を開けると表面に白いものが浮いていますが、これはおそらく酸膜製酵母で、カビではないので安心してください。さらに時間を置くと酸味や旨味が増し、違った味わいが楽しめます。
発酵ピクルスの栄養素
発酵ピクルスには発酵した際に生まれる植物性乳酸菌や、野菜に含まれる食物繊維やビタミンなど、多くの栄養素が含まれています。中でも植物性乳酸菌は、ヨーグルトやチーズに含まれる動物性乳酸菌よりも日本人にとって吸収しやすい乳酸菌であるということが言われています。植物性乳酸菌は腸内環境改善や、血中コレステロールの低下が期待でき、野菜に含まれる食物繊維は便秘改善に効果があると言われています。
復活しつつある発酵ピクルス
元々発酵させて作っていたピクルスも今では酢漬けピクルスが主流となり、日本では発酵ピクルスを見かけることはほとんどありません。しかし近年、世界的な腸活ブームも相まって発酵ピクルスが今見直されており、ニューヨークでは老舗のピクルスメーカーが伝統的な製法によって発酵ピクルスを復活させようとする動きもあるそうです。発酵ピクルスは酢漬けピクルスとは違った深い味わいがあり、作り方もかなり簡単なので、漬物づくりや発酵食品づくりに関心がある方にはおすすめです。ハーブや薬味を工夫して、自分だけのオリジナル発酵ピクルスを作ってみてはいかがでしょうか?
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