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発酵食品の起源は諸説ある?発酵の歴史をたどろう

路上に置かれた食品

発酵食品の起源は?日本食を支える発酵の歴史を知ろう

この記事を読むための時間:3分

発酵食品が生み出されたのはいつのことでしょうか。偶然の産物ともいえる発酵食品の起源として考えられる3つの説を紹介します。「発酵の歴史を知りたい」「発酵食品の起源を知りたい」という方のために、日本食を支える発酵の歴史について解説していきましょう。

発酵食品の起源は偶然の産物

遊牧民の水筒からヨーグルト

発酵食品の起源として考えられている一つの説は遊牧民の水筒から生まれたヨーグルトです。5000年以上前、アラビアの遊牧民は喉の渇きを癒すためにミルクを山羊の胃袋からできた水筒に入れて持ち歩いていました。

大移動の何日か後に水筒を開けると、ミルクが透明な液体と白い固体に変わってしまっていたのです。遊牧民たちがおそるおそる口にすると、ミルクとは違う独特の酸味が感じられました。これが現代のヨーグルトであり、発酵食品を作る起源となったのではないかという説があります。

潰れたブドウからできたワイン

二つ目に考えられる説は潰れたブドウが放置され、勝手にできたワインです。人類が生まれるよりもずっと前から自生していたと考えられているブドウの木。

あるとき、ブドウの実が地面に落ちて潰れてしまいました。そして、ブドウの皮についていた天然酵母によってブドウが発酵しワインができたのです。その後、ヨーロッパで本格的にワインが醸造されるきっかけ、起源になったと考えられています。

大豆の自然発酵からできた納豆

発酵食品の期限として諸説ある中、日本が舞台なのは大豆の自然発酵説です。大豆は弥生時代に栽培が始まりました。普段の調理法は煮ることでしたが、あるとき床に敷かれた藁の上に煮豆が偶然落ちてしまい放置されたのです。

当時の住居は中に炉があり暖められていたため、放置された煮豆は自然発酵して納豆が出来上がりましたまた、別の説では、余った煮豆を藁に包んで保管していたら自然発酵し、食べてみたらおいしかったので広めたという話もあります。

発酵食品を作る技術革新の歴史

「発酵」は人間が生み出した食に関する素晴らしい技術です。今から約340年ほど前、オランダで微生物の存在が確認されました。そこから微生物が起こす現象である発酵が証明され、発酵技術に革新がもたらされたのです。

発酵には微生物の働きが欠かせませんが、全ての微生物が人間にとって有用とは言えません。人間にとって有益な働きをしてくれる菌、まだ利用されていない菌を見つけて集めることから発酵食品の歴史は始まっています。

第一次世界大戦が起こると爆薬の素材を発酵でつくるために競い合いが起きました。その後、抗生物質の開発は第二次世界大戦中の感染症治療で活躍し、発酵の技術を進歩させたのです。現代では発酵を人間にとって有益に用いるようになり、発酵食品の健康効果が注目されています。

食品は放置していると自然界に存在する様々な微生物により腐敗させられます。しかし腐敗させるのではなく、微生物をコントロールしながらより人間にとって有用な食品にするために発酵は優れた技術と言えるのです。

日本のアミノ酸発酵による大きな発展

世界のなかで日本がリードしている発酵の歴史はアミノ酸発酵です。第二次世界大戦後に「生体制御発酵」が開発され、今では20種類のアミノ酸すべてを発酵で生産する技術を持っています

戦争後に食生活において深刻なたんぱく質不足が見られたため、タンパク質を構成する大切な栄養素であるアミノ酸を発酵で生成する技術が生み出されたのです。日本の歴史を通じて発酵という技術は大きく発展しています。

歴史の長い発酵食品は日本食の要

世界で初めてできた発酵食品はヨーグルト、ワイン、納豆など諸説ありますが、どちらにせよ発酵食品は長い時間をかけてその歴史を作り上げてきました。発酵食品の起源を調べてみるのもおもしろいな、と感じられたはずです。日本食の要である発酵食品をぜひ普段の食事から感謝していただきましょう。

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